お客様との打ち合わせ -気軽に受けてしまったら・・・

作業者目線の日誌

お客様との打ち合わせ、打ち解け合ったその時間、笑いのおきるようなちょっとした雑談のなかで、ちいさな作業要望を冗談に交えて話し始める、よくある光景です。
例えば、品質検査項目にうちのオリジナルの試験方法ひとつ追加してくれないか。表示はうちの現場がわかりやすく小数点2桁までの記載がいいなぁ。うちの製品ラベルにはこの内容でで項目追加を。加工時にサンプルを取ってくれないか。出荷単位をうちのトラックの積載量ぴったりにできないか。などなど
要望されるお客様も、クレーム・苦情ではない訳だから、ハードルの高いことは要望してきません(雑談ですし)。
「そんなに難しくはない内容だからだから受けてくれるかも」、
「(ダメもとで)言ってみてやってくれたらラッキー!!」
という気持ちも同時に伝わってきます。
(本当に折衝が上手な方は、雑談のこの時間を最初から狙ってぶっこんでくるんですがね(-_-;))

のびた

こういう場面。 コミュニケーション能力と交渉力の現れる重要なポイントです。

顧客満足のためには当然、おっしゃらられたことは断らず受けることが望ましいでしょう。
しかししかし、
本来この場でで考えなければならないことは何なのでしょうか
そして
この場でどのようにお答えするのが正解なのでしょうか。

雑談から始まったネタであれ、重大懸案事項であれ、考えなければならないのただひとつ。”自分たちに乗りかかってくるリスク”です。
万が一にも言われたことを言われたとおりにやれない、「間違いが発生してしまう確率がどの程度存在するか。」です。
どのお客様もちょっとした、改善要望はお持ちです。そして打ち合わせで何個その要望を相手に(=私たちに)OKさせるか。それが彼らの”成果”です。

それらをお客様との打ち合わせでお会いするたびに1つ1つすべて満額回答してたらどうなるでしょうか。
とてもシンプルな製造工程をしている製造ラインですら一気に煩雑化してしまいます。

のびた

煩雑化=エラーの発生確率の上昇 ですよね。

間違えれば、とても軽微な内容(どう考えて重大なインシデントにつながらない内容)であっても、相手方から再発防止を求められ、改善アクションを指示され、ラインの工程改善を余儀なくされ、さらに工程が複雑化してしまう。そんな恐れがあります。


今言ってることも本当に厄介なんですが、それよりなにより一番の最大リスクが、(相手が大手の会社ほど言えることですが)”一旦受けるとやめられない” ということなんです。
雑談から出るような改善は、やってる方(=現場)は、なぜやらなかいけないのかさえ、理由もわからず、やらされる内容も多いでしょう。
そして大手のお客様程、担当者が数年で替わり、何年か経てば依頼した側ですら何でやらせているのかわからない状態、しかしながらきっと大きな理由があるのだろうと、継続させることが慣例となり、依頼側もやめるという判断をしてくれないのが半永久的に続くのです。
最初から期間が決まっているのなら(決めされられるのなら)、”要望を受ける”という判断もありでしょう。
しかしながら、こうした泥沼化の可能性はよくあることなんです。

また、このような場面で一番良い回答は、
潜在的なエラーのリスクがどの程度のの確率で存在しそのエラーの影響の広がり具合、そうした場合そのお客様にどれほどの迷惑がかかるか説明し、それと、その雑談からは発した作業要望を受けた場合のメリットをお客様自身に天秤にかけてもらい判断して頂くことです。
そして後日でよいので、言われた要望は叶わなくても、それを補えるような内容の逆提案を行うことです。
お客様の数だけこちらの製造記録書を持たされることは下策です。そうした策を取らず、ある程度複数のお客様の似たような要望を叶えるような逆提案をでフォローするのが上策でしょう。
むやみやたらに現場に負荷を増やさない、そしてかつ、出荷先の客先要望を取り持つことも重要な品管品証のお仕事と言えます。

お客様との打ち合わせ -教えて!! その技術。 | ある品質管理責任者の日誌
「お客様との打ち合わせ -雑談から出る一言、受けたらやめられないのです」に引き続き、打ち合わせ中の雑談から出る一言に、技術情報・ノウハウのご質問・情報提供要望があります。こういうのはお電話での問い合わせなんかでもたくさんあります。例えば、御社で使っている設備の型番を教えて欲しい。異物除去装置のコア部分の写真が欲しい。ど...

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